インストラクターが使っているエンリッチドエアとは?
エンリッチドエア・ナイトロックス(以下 エンリッチドエア)は、通常の空気【酸素=21%:窒素=79%】を【酸素32%:窒素68%】に調整してタンクに充填し、ダイビングで使用するものです。
エンリッチドエアの一般的なメリットは大きく2つあります。一つは「窒素が減るので、減圧症のリスクが減る」ということです。特に宮古島のような離島でのダイビングでは複数日にわたり複数回のダイビングを行うので、体内に窒素が蓄積され続けるケースが非常に多いです。特に、2日目や3日目のダイビングでは、NDL(減圧不要限界)が短くなってしまいます。そんな場合はエンリッチドエアを使用してダイビングをすることで効果が大きく発揮されます。
もう一つのメリットは、エンリッチドエアのように酸素濃度の高いガスを深度下で呼吸することで【オキシジェン・ウィンドウ効果】が得られます。これは、動脈と静脈のガス分圧差から短時間で体内窒素を排出する効果のことをいいます。
これらの二つのことをわかりやすく言うと、ダイビング中に窒素が体内に蓄積されにくく、窒素の排出は通常より早いということです。だから、エンリッチドエアを使用する = 減圧症のリスクを予防するということがわかります。
その他にも、エンリッチドエアを使用してダイビングしたことで「潜ったあとに疲れにくい」「体が軽いので観光も楽しめた」「眠くなりにくいので運転も安心」など、個人差はありますが効果として報告されています。(科学的根拠はまだ実証されていません)
まだまだ皆さんに伝えたいことは多いのですが、このエンリッチドエアの魅力を体験するためにファンダイビングで皆さんが使用するには、PADIエンリッチドエア・ナイトロックス・スペシャルティコースを修了していることが条件になります。
海外に目を向けると、人気ダイビングリゾートのパラオやモルディブでは、ダイビングの案内前に、最初にこのコースを受講することを推奨しているお店が非常に多いです。エンリッチドエアを使用している人としていない人で行けるダイビングスポットが分けられることもあります。
沖縄では、到着した日から思いっきりダイビングを楽しみたい人が多いですよね。そこで、到着した日からすぐにダイビングを楽しむために、マレアリゾート店(沖縄本島・宮古島・石垣島)ではオンラインで受講できるPADIエンリッチドエア・ナイトロックス・スペシャルティコースのご案内をしています。
目次
Toggleエンリッチドエア講習で行うこと
学科講習
エンリッチドエアの講習は、PADIオープンウォーターダイバーやアドバンスド・オープンウォーターダイバーの講習と同じく、まず学科の受講が必要です。エンリッチドエアを使用することで、どのようにダイビングが楽しめるのか?身体にどう影響を与えるのか?使用する際の注意点などの知識を、ダイビング実践前にしっかりと学びます。
通常のシリンダーと酸素分圧が異なるものを使用するため、オープンウォーターダイバー時に学んだダイブテーブルやダイブコンピューターとは数値が異なり、「え!?この水深でこんなに余裕を持って潜れるの!?」「この水深はダメなの!?」と新たな発見がたくさん。楽しみながら受講してください。
なお、学科講習は店舗での受講がほとんどでしたが、現在はeラーニングが主流になりつつあり、海洋実習までに自身で知識を習得することができます。eラーニングはパソコンやスマホ、タブレット端末で、自分の隙間時間を使用して学習することが可能なため、店舗で習うためのまとまった時間をとる必要がありません。
一人での学習は不安な方もおられますが、動画レッスンとミニクイズが時折あり、頭に入りやすい流れになっています。しかも合格ラインの75%を取れるまで、何度もチャレンジすることが可能なので、安心して受講してください。
シミュレーション
酸素分圧を測るアナライザーという道具で、自分が使用するエンリッチドエア用シリンダーの中身を分析し、ダイブコンピューター(以下、ダイコン)の設定など、学科講習で取得した知識を、実際に器材を使用しながらシミュレーションをします。
ダイコンによってエンリッチドエアの設定方法が異なり、レンタルの方は毎回使い方を誰かに聞く必要があります。自身のダイコンを持ち、このシミュレーション時に設定方法をしっかり教わることで、本番で慌てることなく、安全対策にも繋がりますよ。
また、レギュレーターの素材によってエンリッチドエアが使えるものと使えないものがあります。既にお持ちの場合でも、購入する場合でも、適応されるのかを実践までにしっかりと確認しましょう。
海洋講習
学科講習とシミュレーションで得た知識を活用し、実際に海で潜ります。エンリッチドエアを使用することで、呼吸法が変わるとか、中性浮力が取りにくくなるとか、そのような体感スキルが変わることはありません。
ダイコンはエンリッチドエア用に設定していれば自動的に計算をおこなってくれますので、水中で特別な操作をする必要がなく、いつも通り潜ります。海洋講習というよりは、ほぼファンダイビングの時間です。「呼吸が安定して思った以上に長く潜れた」「潜った後の疲れが軽い気がした」といった、酸素が濃いエンリッチドエア特有のダイビングをたっぷりと堪能してください。
ちなみに、エンリッチドエアは全てのダイビングサービスが用意できるものではなく、シリンダーのレンタル価格もバラバラです。エンリッチドエアを使用したい場合は、予約先のダイビングサービスに用意があるか、ホームページなどで事前確認をしましょう!
マレア宮古島店では、平均水深が深い宮古島のダイビングスポットを安全に潜るために、エンリッチドエアの使用をおすすめしております。ご予約時やご来店時にぜひリクエストしてください!
エンリッチドエア・ナイトロックス・スペシャルティコース
オンライン学習+現地でボート2ダイブ: 29,400円(税込32,340円)
【PADI e-ラーニングで旅行前にテストまで受講可能です】
※参加資格:オープン・ウォーター・ダイバー以上
※講習料の一部をお申込金 10,000円(税込11,000円)として事前にお振込していただきます。
※器材レンタル代、認定の際に必要なCカード申請料6,530円(税込7,183円)が別途必要です。
※e-ラーニングを始めてからコースを終了させるまでは1年間の期限となります。