膨張したコクテンフグ
マレア宮古島
ダイビング情報ブログ

ダイビングライセンスを取っていざ沖縄へ!となった時、あれ?飛行機に乗った日は潜っていいんだっけ?と、スケジュール調整に戸惑ったことはありませんか?

今回はスキューバダイビング(以下、ダイビング)での飛行機移動手段の制限についてわかりやすく解説します。

後半ではダイビングをたくさん楽しむためのコツ、スケジュールの立て方をぎゅっとまとめています。今後のダイビングライフにぜひ役立ててください。

ダイビング後の飛行機

PADIオープンウォーターダイバーコースなど初心者向けのダイビング学科講習時に習うことですが、初めて習得するダイビング知識がてんこ盛りで、なんとなく覚えているという方が多いです。

ただ、なんとなくだと、とても危険!認識を間違えると身体に影響を及ぼします。とても大事なことなので、次回のダイビングまでに復習しましょう。

ダイビング後から飛行機搭乗まで空ける時間

ダイビング後から飛行機搭乗まで空ける時間を「12時間」と認識している方が多いです。

間違えではありませんが、12時間は体験ダイビングのような、旅行中に1日のみで1本だけ潜ったという場合です。

1日2本以上、もしくは連日潜った場合、空ける時間は最低でも18時間なので注意しましょう。

また、宮古島の有名地形ポイントのような水深30m以深へのディープダイビングや、減圧不要限界に達するような長時間のダイビングをした場合は、24時間あけることが望ましいです。

覚えていますか?

なぜ、ダイビング後すぐの飛行機搭乗は避ける必要があるのかというと、ダイバー特有の病気「減圧症」にかかる可能性が高いからです。

地形ダイビング

減圧症を知ろう

ダイビング直後の飛行機搭乗を避ける理由である「減圧症」。よく聞く用語ですが、結局、何が原因でどう危険かが曖昧な初心者ダイバーは多いです。

今後も安心してダイビングを楽しむために、ここで減圧症についておさらいしましょう。

当たり前のことですが、ダイビング中にかかる水圧は水深によって変化します。

わかりやすい事象で言うと、陸でギチギチに締めたはずのウエイトベルトが水中で緩んだり、ウェットスーツが圧縮されて薄くなって寒くなったり、水深が深い場所でレギュレーターからの呼吸がしにくくなったりします。

そして、自分ではあまり体感できないですが、ダイビング中に吸っているシリンダー(タンク)の空気も、水圧の影響を受けます。

空気の中にある窒素が、水圧がかかるほど、ダイビング時間が長いほど、体内に蓄積されます。

この蓄積された窒素が、減圧症の原因です。

減圧症は体内の組織に窒素がたまる

窒素が体内に大量に残ったままだと、浮上による気体の膨張で組織内(皮膚や筋肉、骨などいたるところ)や血管内で気泡化してしまい、組織の圧迫、血管の詰まりといった、身体にさまざまな障害を起こします。

事例としては、体の節々の痛み、湿疹、しびれ、めまい、吐き気。重度になると脳梗塞や呼吸困難などがあり、重度の場合は半身不随などの後遺症が残ることもあります。

ダイビングができなくなるどころか、最悪の場合は命にも関わる病気。それが減圧症です。

減圧症を避ける対策は、蓄積された窒素をゆっくり排出すること。

水深が浅くなるにつれて窒素は排出されていきますが、排出されるスピードはとても遅く、徐々に浅くなっていっても排出が間に合わないので、水深3m〜6mで減圧(安全)停止を行うのです。

膨張したコクテンフグ

減圧症を避ける対策は水中だけじゃない

減圧症にかからないように、安全な潜水時間をダイブコンピューターで常に確認する。急浮上しない。安全停止・減圧停止を確実にするなど、ダイビング中の対策に重視しがちですが、陸上での安全対策も重要です。

もし、上記のような水中の対策をちゃんとしても、潜水後の体内に溜まった窒素はそう簡単には抜けません。

窒素が抜けていないままの状態で飛行機に乗ってしまうと、水中で安全停止をせずに急浮上しているようなもので、減圧症にかかる可能性が非常に高いです。

体内の窒素が抜けるまでに必要な時間は最低18時間。

そのため、ダイビング直後の飛行機搭乗は控えましょうといわれています。

ハワイ島はダイビングに標高3000mまで行けてしまう

ちなみに飛行機だけではなく、車の移動でも標高が高い場合は同じことが言えます。

もしダイビング後に車で移動する場合は、高い山などへの高所移動は避けましょう。

例えば、ハワイ諸島では車で標高2000〜3000mもの高さまで移動することができ、星空観察が人アクティビティです。しかし、日中にスキューバダイビングをする場合はツアーに参加できません。自分でレンタカー移動することもできますが、標高が高い場所はNGだと覚えておきましょう。

スキューバダイビングでは標高300m以上を「アルティチュード・ダイビング」としており、高所潜水の特別なルールが加わります。沖縄本島や石垣島にも山があり、標高500m前後あります。日中のディープダイビングで体内窒素が蓄積している時は、夜景や星空を観に行く際は念のため気をつけましょう。

宮古島は山がない島なので安心ですね。

ただし、宮古島のダイビングポイントは全体的に深い場所が多いです。

ダイビングの深度、回数、RDPの最終的な圧力グループによっては24時間以上空ける場合もあります。

ダイブコンピューターで飛行機搭乗時間と残留窒素時間

時間の計算は、自分で一生懸命する必要はありません。

近年のダイビングコンピューターは、飛行機搭乗禁止時間や、体内窒素排出時間が一目でわかるようになっています。

しっかりとダイビングコンピューターを付けて潜り、飛行機の搭乗時間や窒素の排出時間を確認しましょう。

旅行中に多くダイビングを楽しむコツ

ダイビング後飛行機搭乗まで18時間空けるとなると、基本的に飛行機で帰る日はダイビングができません。

3日間のダイビング旅行でも、移動が飛行機だと潜れるのは2日間。

少々もったいなく感じますが、より多く潜れるコツがあります。

例えば人気の宮古島だと、羽田発の始発で宮古島に10:30到着、2本潜ることができます。

それを少しだけ前倒し、仕事終わりに那覇まで移動して前泊すれば、当日那覇の朝イチ便で出発。宮古島に8:00に到着すれば、着後で3本潜ることができます。

さらに、海況や日没のタイミングが良ければ、サンセットダイブやナイトダイブもできるので、1日4本潜ることができます。4本目のダイブは水深5m前後の浅いビーチで潜ることが多いので、帰る前日でなければ大丈夫でしょう。

前途したように、ダイビング後には18時間を空けることを考慮したサンセット・ナイトダイブを行いましょう。具体的なプランとしては、ナイトダイビングの浮上時間を20時として考え、そこから12時間を空けると翌朝の8時。さらに6時間を足した14時以降の便を予約します。

※上記の飛行機の時間は2024年1月現在の情報です。フライトスケジュールは都度各航空会社にて確認してください。

地形ダイビングを楽しむ

まとめ

飛行機移動でのダイビング旅行は、以下のポイントをしっかり覚えていてください。

  • ダイビング後は最低18時間を空けて飛行機搭乗する
  • ダイビングコンピューターで水中でも陸上でも自己管理をする
  • フライトスケジュールの調整でより多くのダイビングを楽しむ

ダイビングを楽しむために確保した貴重な連休を、より快適に安全に、そしてたくさん楽しむために、ぜひ役立ててください。

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