クロスオーバーとは?ダイビングの指導団体別コース比較とPADIへの変更完全ガイド

宮古島で水中写真を撮影中のダイバー
ダイビングを続けていて、ふと「自分はいまどのレベルなんだろう?」「持っているCカードは何クラスにあたる?」と疑問に思った瞬間はありませんか?
旅行先で新しいダイビングショップを利用する時や、次のステップアップを考える時に、「どの団体で何を取得しているのか」「世界で通用するのか」が気になる方も多いようです。
世界にはスキューバダイビングの指導団体が約200団体も存在しますが、日本で一般的に選ばれるのはPADI・NAUI・SSI・BSAC・CMASなど限られた団体です。
名称は違っても、どの団体でも「安全に潜れるスキルを身につける」ことが目的であり、世界中のダイビングサービスで通用します。
ただし、講習方法やステップアップの仕組みは団体によって異なり、クロスオーバー(団体を変更する)という判断をするダイバーも少なくありません。そしてクロスオーバーの際には、自分のライセンスを正しく理解し、他団体との比較が必要です。
本記事では、主要指導団体のコース体系を整理しながら、自分がどのレベルにいるのかを確認できるよう解説します。さらに、最終的に最も世界シェアが高いPADIへのクロスオーバー方法についても紹介します。
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目次
Toggle主要ダイビング団体のコース体系と特徴

ここでは、各団体の「コース体系」と「身につくスキル」を簡潔に比較します。各団体の理念や歴史、詳細な特徴などを詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
PADI(パディ)
世界最大シェア(約7割)を誇る団体。旅行先やリゾートで「PADIを持っています」と伝えると、ほとんどのダイビングショップでスムーズに対応してもらえるのが強みです。
【主要コース構成】
| オープン・ウォーター・ダイバー(OWD) | 最大水深18mまで潜水可能。ダイビングの基礎中の基礎を学ぶ。 |
| アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー(AOW) | 最大水深30m。ナビゲーションやディープを含む趣味としてのダイビングの楽しみ方を学ぶ。 |
| レスキュー・ダイバー(RED) | 緊急時対応やセルフレスキューを習得。安全性と自信が高まる。 |
| ダイブマスター(DM) | プロとしてダイビングをするための知識やスキルを得ている。インストラクターを目指す際は必須。 |
特徴は、ステップアップの道筋が明確で、教材や講習カリキュラムが充実している点です。
BSAC(ビーエスエーシー/ビーサック)
世界最古のダイビング機関(1953年設立)で、イギリス王室とも縁のある由緒ある団体です。
【主要コース構成】
| オーシャンダイバー | 水深18mまで潜水可。OWD(PADI)相当 |
| スポーツダイバー | 水深30mまで潜水可。AOW(PADI)相当 |
| ダイブリーダー | ダイビング時のリスクや事故の予防、対処法を取得。RED(PADI)相当 |
| アドバンスダイバー | プロのガイドとして認定され、各種コースの正規アシスタントとして活動可能。DM(PADI)相当 |
BSACの「アドバンスダイバー」のコースは、プロ向けのコースです。応用コースとして知られている他団体とのアドバンスコースとは異なります。
CMAS(クマス/シーマス)
フランス発祥で、ヨーロッパで広く認知されています。CMASのインストラクターは一部の国で国家資格とされているので、海外向けのプロダイバーとして活躍したい方は知っておくべき団体です。
【主要コース構成】
| 1スター(オープンウォーターダイバー) | OWD(PADI)相当 |
| 2スター(アドバンスドオープンウォーターダイバー) | AOW(PADI)相当 |
| レスキューダイバー | RED(PADI)相当 |
| 4スター(グランドマスター) | DM(PADI)相当 |
スキューバダイビングだけでなく、水中設備や水中科学など幅広い分野で活動しており、世界中のダイバーからの信頼は絶大です。
NAUI(ナウイ)
ウォルトディズニーワールドリゾートやNASAなどに採用されている指導団体。スキル取得を丁寧に行い、海洋講習をしっかり時間をかけて行うスタイルが多いです。
【主要コース構成】
| NAUIオープンウォーターダイバー(旧:スクーバダイバー) | OWD(PADI)相当 |
| NAUIアドバンスダイバー | AOW(PADI)相当 |
| NAUIレスキューダイバー | RED(PADI)相当 |
| NAUIダイブマスター | DM(PADI)相当 |
NAUIは「講習を自由にアレンジできる裁量」がインストラクターに与えられているため、ショップやインストラクターのカラーが出やすいのも特徴です。
SSI(エスエスアイ)
レクリエーショナルダイビングからマーメイド、ライフガードなど多種多様なプログラムと教材を提供していることから、世界最大級のウォータースポーツ総合指導団体と言われています。
【主要コース構成】
| オープンウォーターダイバー | OWD(PADI)相当 |
| アドバンスドオープンウォーターダイバー | AOW(PADI)相当 |
| ダイバーストレス&レスキュー | RED(PADI)相当 |
| ダイブマスター | DM(PADI)相当 |
経験重視のライセンス発行という姿勢が特徴的で、デジタル教材の充実度も高い団体です。
各団体のコース比較表で自分のレベルを確認

以下は団体ごとの名称とレベルをまとめた表です。自身が今どのレベルなのか、次のステップはどのコースなのか確認しましょう。
| レベル | PADI | BSAC | CMAS | NAUI | SSI |
| 基礎 | OWD | オーシャンダイバー | 1スター(オープンウォーターダイバー) | オープンウォーターダイバー(旧:スクーバダイバー) | オープンウォーターダイバー |
| 応用 | AOW | スポーツダイバー | 2スター(アドバンスドオープンウォーターダイバー) | アドバンスダイバー | アドバンスドオープンウォーターダイバー |
| 救助 | RED | レスキュー | レスキューダイバー | レスキューダイバー | ダイバーストレス&レスキュー |
| プロ | DM | アドバンスダイバー | 4スター(ダイブマスター) | ダイブマスター | ダイブマスター |
クロスオーバーとは?PADIへ移行する方法

クロスオーバーの基本的な仕組み
「クロスオーバー」とは他団体で取得したCカードをベースに、別の団体(例:PADI)の認定に移行する仕組みです。
例えば、NAUIのオープンウォーターダイバーのランクでPADIのAOWを取得したい場合、NAUIのCカード提示でPADIのAOW講習へ進むことができます。
ただし、ダイビングショップによってはスキルチェックやログブックによる経験本数確認など、必要な補足がある場合もあります。心配な方は希望するPADIショップに事前確認をしましょう。
PADIへのクロスオーバーのメリットは、PADIが世界最大シェアを誇るため、国内外問わずツアーやプロ活動を見据える際に有利になる点です。

クロスオーバーの必要性
そもそもクロスオーバーをなぜするのでしょうか?現在問題なくダイビングを楽しんでいる方には疑問かもしれません。
以下は、よくあるクロスオーバーのきっかけの具体例です。
- マイナーな団体のため、海外や新しいショップで毎回ログ確認やスキルチェックを求められる
- ダイバー仲間に誘われた講習が他団体で開催される
- 最寄りのダイビングショップや使用したいショップが他団体をメインに使っている
- 旅行先や移住先のダイビングショップが他団体の講習を行っている
- ダイビング業界での就職・転職で特定団体の資格を求められる
ちなみに、筆者が過去に受け付けた受講生には「PADIのゴールドカード※ が欲しいから」という理由のみで、クロスオーバーをした方が数名います。
クロスオーバーという仕組みがなければ、例えば他団体からPADIのレスキューコースを受講したい場合、すでにレスキューレベルの技能を持っていても、PADIのオープンウォーターから受講し直さなければなりません。これは時間的にも経済的にも大きな負担となります。
クロスオーバー制度により、あなたが積み重ねた経験とスキルを無駄にすることなく、新しい団体でのダイビングライフをスムーズにスタートできるのです。
※ゴールドカードとは、5スター(PADIの中でも高い安全性と高水準のサービスを提供できるPADIショップ)の称号を持つダイブセンターやゾートしか発行できないカード。通常のカードと効力は変わりません。
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PADIへのクロスオーバーをおすすめする3つの理由

①圧倒的な世界シェアと認知度
PADIは世界のダイビングライセンス発行数の約70%を占めており、184か国と地域で約137,000人のプロフェッショナルメンバーが活動しています。これより、海外旅行先での安心感や、ダイビングサービスの充実、言語サポートなど、数多くのダイビングサポートを受けることが可能です。
②キャリア機会の広がり
ダイビング業界でのPADI資格は評価が高く、就職や転職での優位性も高いです。また、インストラクター以降のキャリアパスも明確で、ダイビングビジネス運営のためのツールやサポートも充実しています。
③教育システムの完成度
カリキュラムが標準化されているため、世界どこでも同じ品質の教育を受けることが可能です。スペシャルティコースも豊富で、継続教育も充実しています。また、最新の安全基準に基づいた教材やeラーニングシステムといった、質の高い教材を使用することができることも大きなメリットです。

準備するもの・手順
必須書類
・他団体発行のCカード
・ログブック(ダイブ歴、経験本数、インストラクターサインなどの確認用)
追加で必要になる場合がある書類
・医師の診断書(ダイバーメディカル参照)
・EFR修了証(レスキュー以上の場合)
・スペシャルティCカード、もしくは確認できる修了サイン
手順:PADIダイブセンターへ相談
- 希望するダイブセンターへ連絡、もしくは来店し、クロスオーバーの希望を伝える
- Cカードやログブックの提示
- 個人のレベルに応じた最適なコースの提案を受ける
なお、クロスオーバーだからといって追加料金が発生することはありません。しかし、ダイブ歴と希望のコースによっては、講習とは別にプールや海の浅場でスキルチェックを行う可能性があります。料金や日程は余裕をもって準備しましょう。
自分の現状を整理しよう

クロスオーバーを検討する際、一番はじめにすることは自分の状況を振り返ることです。
取得済みカードの確認
どの団体で、どのコースまで修了しているかを確認します。もしカードを紛失してしまった場合は、Cカードの再発行、もしくはインストラクターの修了サインが確認できるログブックが必要です。
なお、Cカードの再発行は、発行元の団体で手続きをしましょう。
経験本数とダイビング歴
経験本数のみを申告する方が多く見受けられますが、2年間で100本と、10年間で100本ではスキルが全く異なります。経験本数とダイビング歴はセットであるということを覚えておきましょう。
これまでの潜水環境
ビーチダイビングが中心か、夜の海を潜るナイトダイビングや、流れのある海でのドリフトダイビング経験があるかなど、これまでに潜ったダイビングの環境を確認します。
学びたい方向性
「ディープダイビングのスポットも潜れるようになりたい」「自分の身はできるだけ自分で守りたい」「友人をガイドしたい」など、学びたい方向性が明確である方が遠回りせずに、自身の求めるダイバー像へ近づくことができます。
たとえば「NAUIでアドバンスまで持っているがビーチダイビングしかしたことがなく、経験本数は20本程度。友人と趣味で楽しみたい」という場合、PADIへクロスオーバーするなら、AOWを推奨します。
同等ランクですが、ボートダイビングやディープダイビングの基礎をもう一度学べ、実践もできるからです。もちろんAOWではなく、そのままEFRとレスキューダイバーコースを受講することも可能です。

まとめ

世界には多くのダイビング指導団体がありますが、コース体系は似ており「できること」も共通していることが多いです。そのため、自分のCカードの名前だけでなく「経験とスキル」を把握することが大切です。
そして、次のステップを考える際は、カードだけでなく「自分の現状整理」が第一歩となります。もちろん難しく考える必要はなく、スキルアップをしたいという向上心だけでも、十分快適にダイビングを楽しむことができる秘訣です。
もし「アドバンスを取得しようかな」「PADIへクロスオーバーしてみようかな」と頭によぎった時は、ぜひ気軽にショップのスタッフへご相談ください。
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ダイビングは一生続けられる趣味です。自分のレベルを正しく理解して、次の海をより安全に、自由に楽しみましょう。